2020.Feb. 4
FIZIK、prologo、SELLE ITALIA...etc
昨今、各メーカーから続々とショートノーズサドルがリリースされました。
ご存じの方も多いと思いますが、ショートノーズサドルの有用性にいち早く気づき、世に送り出したのが”SPECIALIZED”です。
SPECIALIZEDはサドル作りに際し、乗車時の会陰部の圧迫や血流の阻害を解消する製品作りにいち早く取り組みました。
バイクに乗っていない時も含め、健康なライフスタイルの実現を目指す製品作りが一貫したコンセプトになっています。
今では殆んどのメーカーで採用されているサドル中央に穴空きの溝(チャンネル)を設けたサドルもSPECIALIZEDが最初に取り入れたイノベーションなのです。
チャンネル・デザイン、ショートノーズ...2つのテクノロジーにMIMICテクノロジーを加えて、 女性ライダーへの福音となる 【Women’s Power With MIMIC】も生み出しました。
ヘルメットやシューズにも言えることですが、SPECIALIZEDの着眼点や分析力、そしてユーザーの手に渡るまでの熱意に敬服させられます...
個人的な雑感として・・・
【 SPECIALIZED = ショートノーズサドル 】
というパブリックイメージが先行しているように感じます。(それだけ、爆発的にショートノーズサドルが普及した事の証でもありますが...)
しかし、SPECIALIZEDサドルの真骨頂は、 【 人間工学に基づいた設計を科学的に検証し、それらをライダーの利益として提供する多様性のある製品群 】だと思います。
当店ではSPECIALIZEDのサドルラインナップの中でも特に人気のある数種類のモデルを常時取り揃えております。
せっかくなのでPOWER、POWER ARC (以下ARC) の形状の違いや数値を比較してみましょう。
公平を期すため、サドルのウィング幅を155mm(143mmのサイズもございます。)で統一して測定しております。
御自身のサイズがピンとこない方は、骨盤の大きさを基にフィッターが測定させて頂きますので是非ご相談下さい。
完成車についているサドルが実はご自身の適正サイズより小さいなんて事がよくあります。
それでは重量測定から・・・
まずは『 POWER 』 160g 軽量サドルとして十分な数値です。
そして『 ARC 』 143g POWERよりも17g軽量ですね。
次は、真上から見たデザインの比較です。
POWERとARCはノーズの短さを活かして、前傾姿勢や前乗り時にノーズが内腿に擦れにくくなっているので、ペダリングの阻害を大幅に低減できます。
POWERの方がチャンネル ( サドル中央にある穴空きの溝 ) を大胆にとっており、より会陰部に対しての圧迫感を軽減できます。
最後は真横と真後ろからの比較です。
ARCを真横から見た時のサドル後部のカーブが際立っていて、真後ろから見るとフラットに近いPOWERに比べてラウンドしています。
ARCの特徴である立体的な曲面がお尻をピタッと収めるスポットになり、 ライダーとサドルとの一体感を作り出します。
POWERはフラットな座面を活かして骨盤を傾けた姿勢でも立てた姿勢でも、どちらにも対応できるサドルです。
先述の大胆に設けたチャンネルと相まって、アグレッシブな前傾姿勢をとる方にオススメである反面、適切な余裕をもったウィング部分が、ヒルクライム時のサドル後方に荷重がかかるシチュエーションでもしっかりペダリングをサポートしてくれます。
SPECIALIZEDサドルの中でも最新のモデルである『 ROMIN EVO 』
ショートノーズサドルではありませんが、スタッフにも愛用者多数のサドルを是非御紹介させて下さい。
重量 160gのPOWERと持ち比べて体感出来る軽さの違い、ヒルクライムでのダンシング時にこの軽さがジワジワと効いてくるので侮れませんよ...
サドルの全長がPOWERとARCよりも3cm長くなるので、前後の着座位置をより幅広くとることができます。
細かなポジションを使い分け、より多くの筋肉を動員できることにより、下肢の筋肉疲労を分散できるように感じます。
前方に傾けた骨盤をサドル後部で保持する乗り方を好むライダーにはオススメですよ。
ノーズからサドル中央までが細身に作られているので、サドルセッティングをだして骨盤前傾のペダリングをした時の気持ち良さは抜群です。
比較してみて改めて、SPECIALIZEDサドルの作り込みとラインナップの多様さに感心させられました。
他社に比べて、スペックと価格のバランスが取れている点も見逃せません。
メーカーによっては価格が3万円をオーバーするものもある中で、スペックとバリエーションで全く引けをとらずに価格が ¥26,000-(税抜) というのはユーザーの皆様には嬉しいポイントですね。
因みに、サドルはベースに対するレールの取付位置が製品によって様々 です。
ROMIN EVO とPOWERシリーズも互いに異なり、ROMIN EVO に比べてPOWERシリーズはレールが後ろよりに付いています。
シートポストがオフセットしていて、サドルの後退幅が大きくしっくりこない...という方や、その逆でポジションをもっと前で乗れるようにしたい方はサドル交換も含めた、フィッティングによるサドルポジション見直しを是非オススメ致します。
サドルはフィッティングと組み合わせることで、よりライダーのパフォーマンスを引き出し快適性も向上しますよ。
サドルチョイスやポジションについてお悩みの方は是非スタッフまで御相談下さいませ!
SPECIALIZEDサドルの中からあなたにフィットしたサドルを見つけてみませんか?