2024.May. 14
目覚ましい勢いで進化をしていく自転車達。
この10年も例外ではなく、ディスクブレーキ化やカテゴリーの確立など多くの革変がありました。
そんな中、ご依頼いただいたのが「約10年前のタイムトライアルバイク(TT)を最新Di2へとアップグレードする」というもの
出来るのか、、我々スタッフも手探りの中、最終的には最高のバイクが仕上がったことをここに記録します。
まず初めに課題となったのが、10速の105が搭載されているためホイールが使えないということ。
フリーボディを変えるなどの荒業をすれば利用可能ですが、基本12速には対応していません。
そのためホイールを一新していただき、前後ホイールで新旧分かれた他にはない車体へと生まれ変わりました。
お次は掃除編。
なかなかいい感じに汚れています。
塗装にダメージの少ないディグリーザーで、つもりに積もった汚れを溶かして洗い流していきましょう!
ピョンピョン出ているアウターワイヤーは組立時にライナーとして利用します。
うん。気持ち良き!
何ということでしょう。
フレームが輝きを取り戻しました。
さらにガラスコーティングを施工したことでグロスに艶が増し、汚れの付着を予防します。
ポジション上、ヘッドパーツ内に汗が侵入しやすいTTバイク
海沿いの多いレース現場も踏まえ耐塩水グリースを塗布します。
交換して使わなくなったパーツも洗浄をしていきます。
処分してしまうとしても、長年愛用してきたパーツたちを奇麗な状態で見ると「この傷はあの時の」と思い出に浸れるのも自転車の良いところ。
全て持って帰ると捨てる踏ん切りがつかず邪魔者になってしまうパーツたち
オーナー様は場所を取らずよき思い出となるチェーンリングをお持ち帰りされました。
時計などにリストアできるパーツなので、今後も大切にしていきたいですね。
忘れられがちなペダルもしっかりとオーバーホールしていきます。
中身を空けてみるとびっくり!水化したグリスや汚れが出てくる出てくる。
ペダルも定期的なオーバーホールが大切ですね。
Di2化をする上で避けられないバッテリーの格納。
10年前は内蔵ではなくダウンチューブ上に設置していたため、バッテリーを抑える専用のホルダーなんてものはある訳もなく、、
模索していく中で現在最も主流であるシートポスト内に入れられるか試したところ、なんともまぁシンデレラフィット。
これは作るっきゃねぇ!ということで
これから何十年と使用することを念頭に最適な材料で一から自作をしました。
ピッタリでは落ちてきてしまう可能性があるのでできるだけタイトに、そしてしっかりとフィットしている形状に削り出しました。
良い出来栄えではないでしょうか。
今までワイヤーが通っていたため独立していた配線もDi2になったことでひとまとまりに。
バーエンドキャップを加工することでDHバーの配線もグッドです!
補給食を入れるための蓋なのか使用方法はわかりませんが、この蓋を利用してジャンクションをまとめています。
この加工により全内装を実現することが出来ました。
リアブレーキのワイヤー配線が複雑で抵抗感の大きい問題もゆとりを持たせて解決。
BB下に見える蓋の中で旧Eワイヤーと新Eワイヤーが複雑に内装されています。
今回全てを内装にすることが出来たのは奇跡であり、とても気持ちの良い瞬間でした。
ハンドル周りを除くすべてのワイヤーが完全内装となり、10年前の車体とは思えない仕上がりに。
大変お待たせいたしました。
生まれ変わったスーパーバイクを存分にお楽しみください!