2023.Mar. 31
先日の定休日はBianchiを取り扱うサイクルヨーロッパジャパンさんにご招待を頂き、私たちショップ向けに開催されたROADバイク試乗会へ行ってまいりました。
今回のお目当ては、やはり待望のモデルチェンジを果たした新型『OLTRE』シリーズです。
■Bianchi OLTRE RC
トップモデルとして君臨するのがこちらの『OLTRE RC』
こちらはDURA-ACE Di2完成車 or フレームセットの展開となります。
フレームはエッジの効いた直線とホイールを包み込むような曲線が美しいフォルム。そしてイタリアンバイクらしい鮮やかで上品なグラフィックに目を奪われます。
新型OLTREで最も話題に上がるのがフロントセクションです。
個人的にも実際にチェックできるのをとても楽しみにしていました。
ヘッドチューブに搭載される“エアディフレクター”は意図的に後方へ低圧ゾーンを生み出し、ライダーの脚に当たる空気抵抗をコントロールする目的で設計されています。
「空力向上付加物」に当たるとされ、残念ながらUCIレースでは使用不可とされましたが、非常に話題となった新しい速さへのアプローチです。ロードバイクでは今まで見たことのないユニークなアイデアは実にBianchiらしいトコロ。
ニセコクラシック等のUCI規定に則ったレースでは外しておいた方が良いかもしれませんが、多くのホビーレースでは何も問題はありません。
ちなみにエアディフレクターを外した状態でも既にトップクラスのエアロダイナミクスを実現しており、UCI認証は未装着の状態で取得されています。
専用設計されたコックピットも非常に特徴的。
ハンドル中央部には穴の空いた形状と気流をコントロールする目的の“ボルテックスジェネレーター”という突起が見られます。
ボルテックスジェネレーターはフロントフォークにも搭載。
新型OLTREではこれまでの“いかに空気抵抗が少ないバイクを作れるか?”ではなく、気流をコントロールして“ライダーが乗車した状態でいかに速いバイクが作れるか?”という真の速いバイクを目指し、徹底的に考えデザインされています。
“先代モデルを進化させた”のではなく、「ゼロから新たに設計した」という正真正銘の新型バイクなのです。
今回のテストライドはエアロロードの特性を堪能できる平坦・ダウンヒルは勿論、登りとラフな路面も存在する総合力が試せるコース。
系列店スタッフと共にテストライドをしてまいりました。
『OLTRE RC』ではこれまでのBianchiのハイエンドモデルに搭載してきた振動除去システム“カウンターヴェイル”をあえて非搭載とする事で、引き換えにバイクの反応性を向上させたとされています。
そんなわけで実は「機敏な特性はプロライダー向き過ぎて扱いにくいのではないか?」などと少々不安に思っておりました。
しかし実際に乗ってみると、そんな心配は全く無用でした。
28cタイヤとの相性は抜群で、前情報通りの非常に鋭い反応性を持ちながらも、乗り心地は角が無く上質そのもの。
ハンドリングは切れ込み過ぎるような事もなく安定感があり、初めて乗ったバイクとは思えないほどの馴染みを感じました。
後述するOLTRE PROとの重量差は「60g」と僅かなものですが、乗り味はハッキリと違いがあり瞬発的なペダリングの応答性がクリアでスプリントやクライミングのフィーリングが非常に好みでした。
新型OLTREに合わせて登場したのが、Bianchiのレーシング部門“REPARTO CORSE”の名を冠したコックピット・サドル・ホイールといったパーツたち。
OLTRE RCに標準装備されるホイールセットは新型フレームと合わせて開発が進められただけあり、高いリムハイトや重量のスペックを感じさせず、フレームとの相性は抜群。ハブの回転性能と合わさる事で、ダウンヒルのスピードの伸びが非常に良く好印象でした。
■Bianchi OLTRE PRO
続いてチェックしたのは『OLTRE PRO』
ULTEGRA Di2 完成車とフレームセットがラインナップされます。
フレーム形状は“PRO”と全く同じ型を採用しており、更にこちらのモデルでは新型OLTREシリーズで唯一“カウンターヴェイル”を搭載したモデルです。
完成車では専用コックピットもRCと同一製品が付属され、エアディフレクターやボルテックスジェネレーターといった特徴も同じです。空力性能もまた同一となります。
それに加えて“カウンターヴェイル”を搭載した事で速さに加え、身体に響く振動がスッと手元で消えるような不思議な感覚で、他ブランドには無い極上の乗り心地がクセになります。
ドライブトレインが異なるほか、RCとはサドル・ホイールも変更されていますが価格差を考えると、この“PRO”は非常にお買い得なパッケージといえます。
ロングライド〜レースに至るまで一台で何でも快適にこなせそうな万能モデルがこの『OLTRE PRO』
多くのライダーにマッチする極上のオススメバイクです。
■Bianchi OLTRE
最後はシリーズ中、ベースグレードに位置する『OLTRE』をチェック!
こちらは残念ながら適正サイズが無かったのでバイクチェックのみとなりました。
製品ラインナップは12速化がなされたセミワイヤレスの“105 Di2”搭載の完成車が展開されます。
フロントフォークのボルテックスジェネレーターやリアセクションの形状を見ても、上位機種の開発で得たノウハウを活かして設計されているようで、走行性能の高さが窺い知れます。
バイクの乗り味を決定付けるジオメトリーは他モデルと同一です。
その為、コックピットにはフレームに合わせたオリジナル設計のステムがセットアップされてきます。
ハンドル・ステムが別体構造となるので、お好みのハンドルをチョイスできるのがメリットです。
ステムは構造上、上部にコラムスペーサーを積むことができない為、ポジションを予め出しておくのがオススメ。
電動シフトコンポーネント搭載、そして50mmハイト/チューブレスレディのカーボンホイールがパッケージングされる等、すぐにレースも楽しめる高いスペックと走行性能を持っています。
シリーズ中、唯一のBianchiの特徴である“チェレステカラー”を採用しており、それだけでも人気が高まりそうなモデルです。
同じ『OLTRE』と言う名前を持ちながらも単にグレードの違いでは無く、どれも個性的でそれぞれ特性が光る3モデルでした。
各モデルの納期予定など、気になる方はお気軽にスタッフまでお問い合わせくださいませ!