2026.Sep. 11
8月末に開催された“UCIグランフォンド世界選手権”に出場してまいりました。
遅ればせながら、本日はその模様をレポートさせていただきます。
“UCIグランフォンド世界選手権”とは、世界各地で開催される予選大会を通過した選手で競われる国際的な大会です。
競技は予選大会同様に年齢別のカテゴリーで競われ、優勝者には世界チャンピオンの証であるレインボージャージが贈られます。
先日開催された2026年大会は北海道・ニセコで開催され、アジアでは初めての開催となりました。
8/27(木)〜8/30(日)にかけて開催された本大会ですが、私が出場したのは8/30に開催したグランフォンド・140km(40-44歳)というカテゴリーです。
レースで走る距離はカテゴリーにもある通り、約140km。獲得標高は約2,300mほど。
中盤には標高800mを超える山岳も待ち構える本格的なコースです。
お店の定休日を活用し、少し早めの8/27(木)を移動日としました。
開催地となるニセコまでは飛行機輪行となりますが、数年振りだったので事前確認や準備は念入りに。
数年前にニセコやツールドおきなわに出た時からバイクも変わり、ステム・ハンドルが分割できないタイプとなった為、今大会をきっかけに飛行機輪行バッグも新調しました。
新千歳空港への着陸時間近辺で雷雲発生が予想され、“着陸に影響や羽田空港への引き返す可能性も”なんていう情報が入り、だいぶヒヤヒヤした空の旅でしたが、なんとか北海道入り。
しかし安心したのも束の間、レンタカーを借りて走り出すと予報通りの雷雨に…⚡️
今まで経験した事のないほどの土砂降り・稲妻が走る中、約2時間ほど生きた心地のしないドライブをして無事にニセコ入りが出来ました。

翌日、金曜日。
当初の予定ではコース要所をチェックがてら試走を行う作戦でしたが、重い荷物での移動でトドメを刺してしまったのか、以前より痛めていた足先が悪化してしまったので見送ることに。
こういった“身体との付き合い方”という部分も年齢別で競われるグランフォンドの重要なポイントだなぁと痛感したのでした。
それにしてもホテルからの展望は最高です。
足のケアをしながら、おとなしく昨年大会の映像でコースのイメージを作ることにしました。

8月29日 土曜日。
レース前日となる土曜日は、大会受付日となります。
今大会は史上最多となる64カ国、1,400名を超える選手がニセコに集結したとのことでした。凄い!


様々な国の選手が集結するレースなので、受付するスタッフさんも大変そう。
受付完了後、そのまま流れでブリーフィングも参加し、コースやフィードの注意点をチェックしました。

ホテルに戻ってバイクのレース準備を終え、まだ時間も少しあったので、機材のチェックがてら少し乗ることに。

4年ぶりのニセコライド。雄大な大地と夕焼けが美しかった!


ホテルへの帰路、レースコースにも入る区間で木ネジを発見!
きっと数十人もの危機を私が救ったことでしょう。笑

木ネジを拾い謎の達成感に浸っていると、見慣れたジャージの選手が通り過ぎ、同じタイミングで「えぇっ〜!?」
当店サポートの櫻庭選手とバッタリ!なんという偶然。しかもこの広い北の大地で。
しばらく翌日のレースの話の話をしたあと、お互いの検討を祈りつつ別れました。

ホテルに戻り、ゼッケンやウェアの準備。
翌朝の低い気温と曇り予報。そして標高の高いパノラマラインに今回はインナーウェアのチョイスを本当に悩みました。
翌日に備え、早めの就寝です。

翌朝。予定時間通りレース会場に着くと、イメージしていたよりも遥かに多い海外選手。(よくよく考えると当然ですが)
そして高身長でガタイの良い選手ばかりで圧倒されました。
もちろん聞こえてくるのは異国の言葉ばかりで、これまで以上に強く国際的なレースと感じる雰囲気でした。
最後の準備を整え、年齢別で区切られる整列場所へと向かいます。
6時ちょうど。最初にスタートを切るのは“19〜34歳カテゴリー”。
そこから各カテゴリーは5分刻みでスタートしていき、私の出走する“40〜44歳”は6時10分にスタートしました。

レースの序盤は比較的 平坦基調。
とはいえ、北海道ならではの緩やかなアップダウンがちょいちょい存在します。
しかし集団の力で高速巡航しているので、“登っている”という感覚はありません。
登り返すタイミングで若干失速→後続が詰まり落車が発生することがあります。
そのため序盤は結構集中して走りましたが、さすがは世界選手権。
当たり前ですが、どの選手もレース慣れした手練れの選手ばかり。レベルが高く、みんな安定していて不安なく走行できました。

過去に走ったことのある2022年大会とは逆周りとなっている今大会のコース。
試走を行なっていなかったので、コースはサイコン頼みに…。
ルートはもちろんのこと、高度・勾配の表示を命綱に走る事となりました。
最初のフィードへと向かう途中。何度かアップダウンを繰り返します。
この頃には別カテゴリーの選手も入り混じっていました。
レースの雰囲気にも慣れ、最初の長い下りを終えるぐらいのタイミングで気持ち的にも少し余裕が出てきます。
なんて思いながら、ふと前を走る選手達に目を向けると、大多数の選手のゼッケンカラーが違う…。
自分と同じ色のゼッケンを付けた選手は下りでもガンガン飛ばしていて、結構ギャップが空いていました。
「これはヤバい!こんな序盤でレースが終わる!」と思い、ダウンヒルを終えて道幅が広くなったタイミングでガンガン踏んで追い上げる。
少し前に同じ窮地に陥ったであろう青いジャージの選手がもう一人いて、猛烈に踏んでいる。
前方を走る自身のカテゴリーである集団が若干登りに差し掛かり、ペースが落ちたタイミングで追い付くことができました。
猛烈に踏んでいた青いジャージの選手も同じタイミングで追いつき、チラリと目が合い、そしてお互い笑う。
言葉は通じないけど、あれは間違いなく「アブナカッタネ」でした。笑
青いジャージは香港の選手でした。

レースは中盤に差し掛かり、いよいよ本格的な登りが始まる“アルプスライン”へ。
登りでペースが上がり、徐々に集団が崩壊していく。
ごちゃ混ぜで走っていた集団も、気付けば十数人で形成される同じカテゴリーの選手だけになっていました。
おそらく第3〜4集団ぐらいの位置。
その十数人も登りで段々と人数を減らしていく。
もっと前の集団に行けなかったのは残念だけど、自分のレースはこの集団で競う事になると確信しました。
登り区間を終え、ダウンヒル区間へ。
海外選手はとにかくダウンヒルがべらぼうに速い…!
持ち合わせているパワーに体重を上手く使い、テクニックがあるライダーが多い。
下りを攻め慣れている様子でかっ飛んでいきます。
登りで千切れた海外選手は何人かダウンヒル区間で合流してきました。
長いアルプスラインのダウンヒルも終え、気付くとレースはいよいよ終盤戦へ。
目の前の事に集中していたので、結構あっという間に感じました。
最後の勝負どころ、ワイスの登りに入る。
15分前後の登り…ですが足が結構削られているのでキツイ。。。
周りの選手も中々キツそう。
「1つでも良いリザルトを取るのならココが勝負だろう」と心拍をMAXまで使ったヒルクライム。
一時は差が大きく開いたものの、その後の下りと平坦で簡単にギャップを埋められてしまい振り出しに。
登りでわずかに人数は減ってゴールまでは15人前後のパック。残りは14kmほど。
渾身のヒルクライムをした後なので両足共に攣りそうになるが、ペダリングを工夫してギリギリセーフ。
しばらく大人しくして、最後の登り“ゴンドラ坂”に備えることに。
その後、ゴールまではアップダウンを繰り返す。
“残り1km”となったところで日本人選手1名が飛び出して行く。
攣りかけの足ではまともなスプリントはできないと思い、自分もペースアップして飛び出し、残りの距離を踏み抜くことに。
しかし300mも持たず、ジワジワとパワフルなペダリングで詰めてくる集団にあっさりと飲み込まれ、最後の登りへ。

最後の登りは心拍を最大値まで使い、フィニッシュ。
結果は50位/147名。
リザルト的にはイマイチだったけど、今持っている能力としては全て出し切って、ベストなレースでした。


これまで走ってきた国内レースとは違う、世界選手権ならではの緊張感。
世界各国から集まった強豪選手達と同じスタートラインに立つ、貴重な体験となりました。
最後に、応援して頂いた皆さま、本当にありがとうございました!




